【99】ゆずりは

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

ゆずりは

ゆずりは


常緑高木。高さ4~12m、直径60cmくらいになる。本州中南部、四国、九州に自生する。
暖帯に生育し、その地域では正月のお飾りに使う。
紀州の生家では餅飾りの餅の下に四方、四枚ゆずりはの葉を下敷にする。
暮になると山に取りに行かされるが、なかなか見つからないので他の木の葉で代用出来ないのか父に尋ねたところ、「ゆずりはの葉は新芽が出ると古葉は下向いてしまうが落ちない。
翌年孫葉が出てその成長を見て落ちるので、家庭の世代交替はかくあるべしとお正月は必ずこの葉を使うので他の木の葉は駄目だ」と言うことであった。
昭和60年6月竣工した「ウッドリーム大阪」の正面 にこの木の雌雄を植えたが、協同組合の世代交替のうまく行くのを願ってのことである。
樹形端正、花は4~5月、実は11月、公害に強い、剪定はきかない。