【84】まゆみ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

まゆみ

まゆみ


落葉小高木。雌雄異株。高さ5mくらいになる。北海道、本州、四国、九州 など各地の山地に自生している。
初夏にまばらに集散花序を昨年の枝の根本に腋生する。
花は5~6月頃、白小花で花盤があり4個の可愛い花弁がある。雄株には結実しない。
庭木、盆栽にも良く、10月頃に熟した実は8~10mmの丸味のある方形の朔果、熟すると四つに裂け、赤い果肉の種子が現れる。
材はねばり強く弾力があるので古代弓に使われたので、真弓の字が当てられた。
マユミの材は淡黄白色で色が白いのと、緻密で狂いが少ないため版木や、小箱、櫛、木釘、玩具、寄木細工こけし等に使用される。
先年友人からこの木を貰い 初夏の花、秋の実と楽しんでいるが私と友人がこの木の話をしていたのを、盗み聞きした友人の奥さんが、女性の話をしたと勘違い、いらぬ嫌疑をかけられたとか。
日頃の行動にも問題があったのだろうが、まぎらわしい名ではある。