【82】まさき

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

まさき

まさき


常緑低木。北海道南部、本州、九州、沖縄、小笠原、朝鮮の海 岸地帯に生育する。
公害の抵抗性も強い。
成長は早く、枝は繁密してよ く伸び、萌芽力が強いので生垣には良く海岸に近い家 の風除けには最適である。
高さ3~6m、花は6~7月頃、葉のわきに緑白色 小形の花をつける。
果実は10月に黄赤色の仮種皮をも つ種子4個を放出する。
移植力が強いので庭園樹とし て植えられ、人工樹形を作る植木によい。
葉に斑(ふもよう)の入る「キンマサキ」「ギンマ サキ」の園芸品種がある。
繁殖にはさし木を主とする が実生も出来る。
さし木は春ざしか、土用ざしをする。
実生は秋に採種して種子を洗ってまく。
自然は実を 鳥が食し、鳥の胃で洗われ、鳥によって運ばれ、鳥の 糞と共に播種され芽を出すのである。
自分の木の近く にはえると共倒れになるので種は自分で飛べないので 鳥の力を借りる。
うまく出来ている。
だから人間が種 をまく時は鳥の体内と通ったと同じように洗う必要が ある。