【98】ゆず

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

ゆず

ゆず


常緑小高木。
高さ6mにもなる。中国大陸(揚子江上流)が原産。朝鮮経由で唐代以前に日本へ伝来。
寒さに強いので 東北地方にまで生育する。 宅地の庭に良く植えられる。花は紫色、果実は球形、果皮は鮮やかな黄色、厚く、しわがある。皮も果汁も香り高い。
酸が強いので生 のままより酢として料理によい。
11月に成熟、我が家にも一本庭にあって、朝の味噌汁に、夕のトロロ汁に、また子供の夜食のインスタントラーメン用に永い間食前に味わいをそえている。
先日我が家を訪れた風流人から柚味噌を作り方と柚の果実でお茶席に使う香合の作り方を教えられ目下製作中。
「スダチ」は徳島県で江戸時代の後半から栽培され、樹齢200年の古木がある。
現在も徳島県の特産。
 「カボス」は大分県に産し、今も200年の古木がある。「キズ(木酢)」は「スダチ」の近縁で福岡県や佐賀県に多い。柚は山口県に天然記念物の自生地がある。
それぞれミカン科ユウ属である。