【73】ひさかき

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

ひさかき

ひさかき


常緑小高木。高さ5m~10mにもなる老木もある。本州、四国、九州、沖縄、台湾、朝鮮、中国、インドに生育す。
サカキに似た種類でサカキの自生が見られない地方では代用としてヒサカキの枝葉をサカキの替りに神事仏事に使った。
黒い実は鳥が好んで食べる。庭園樹として生垣に使われる。花は3月に葉の腋に1、2個つき白色で直径5~6 mmぐらいになる。果実は球形の液果で直径5mmくらいになり黒色。果実を染料とする。
八丈島にはヒサカキの造林地もある。年間70トン近くの枝葉を東京に出荷している。
開花の時に強い刺す様な臭いがある。
子供の頃お墓参りに行くから山へ行って「ビシヤコ」を切っておいでとよく母にいわれ2kmばかり隔てた自家山へ自転車を買ってもらったばっかりに使いに行かされたものだ。
ヒサカキは姫さかきの訛でサカキに比べて小型であ る事を示したもの。
果汁にミカン汁等の酸を加えて紫色のインクにして子供の頃よく遊んだ。