【72】ひいらぎ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

ひいらぎ

ひいらぎ


常緑高木。高さ10mにもなる。関東以西、四国、九州に分布する。
幼木に刺尖鋸歯芽が葉の縁、または全縁にあるが、老木はトゲが無くなる。厚い革質で上面は濃緑色で光沢があり、下面は帯緑色である。10~11月に葉のわきに小さな白花が束生する。
一般に花の少なくなった季節で上品な香りがする。果実は翌年の6月以降に熟して紫黒色となる。
  材は淡黄色で心材と辺材の区別がなく木目が密で堅いから算珠、櫛、印材、将棋の駒、コマ等に使われる。木は庭園樹として使われ生垣にも植えられる。
節分に柊の葉を門につけて悪魔を払う風習の所がある。
葉の先がトゲ状になっているので、鬼の目を突くというのである。「オニノメツキ」「オニサシ」「オニオドシ」の別名がある。
また材が非常に堅いので「鉈折れの木」という所もある。
クリスマスの装飾に使う赤い実の「セイヨウヒイラギ」はモクセイ科ではなくモチノキ科の木で葉が互生である。