【69】はしばみ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

はしばみ

はしばみ


落葉小高木。高さ3~5m、直径9cm。本州、九州に分布する。
日当りの良い湿り気のある肥沃土を好み成長は早い。根から不定芽を出して繁殖するのでよく群生する。
3~4月頃葉が出るのに先だち開花し雄花は尾状花序で黄褐色の花。
雌花は雄花序より下につき頭状で小さく芽鱗のなかの小枝に頂生して鮮紅色の花柱が束になって突き出している。
実は1.5cmくらいの球形で栗より小さいが、木が小さく手の届く所にたくさんなっているので、子供達が歯がいたくなるまで噛るのを止めない。
そのため「シバグリ」、「ヤマグルミ」、「サルグルミ」、「ウシグリ」、「キツネツクリ」、「ナツグリ」、「カシマメ(菓子豆)」等と呼ばれ親しまれている。
庭園樹としても使われる。
ハシバミの語源には諸説あるが葉に皺が多いので「葉皺実」、「榛紫実」また總苞を鳥の嘴に見たてて「嘴榛」だとしたり、子供達が總苞の中から実をとりだすとき總苞の刺毛が手にささって「はしかい実」と名ずけられたとか。
花言葉は「和解、調停」