【58】とどまつ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

とどまつ

とどまつ


常緑高木。 高さ30m、直径1mにも達す。北海道、南千島、ソ 連に分布する。北海道針葉樹林の主木である。5月頃 に開花し、種子が熟するのは9月で、4年周期に多く の花が咲き、その年は「トドマツ」の豊作とよばれ、 人工造林用の種子の確保が集中的に行われる。北海道 の人工造林の樹種として重要な担い手ながら若木の春 先のおそい霜に弱いので余り良い造林地が少ない。
 材は淡黄白色で、肌目は粗いが木理は通直で軽くて 柔かく、加工は容易で、割裂性、弾力性に富んでいる 。建築用として良いものは室内の枠材、鴨居など造作 材に使われるが一般に?等小割物、板等又器具材のほ か機械材、土木用材、経木材、包装箱材、パルプ材等 に利用される。
 北海道では庭木として植えられ、若木はクリスマス ツリーに使う。
 よく似た仲間の「シラベ」は、中部地方の高山、近 畿地方の大峰山系に分布し、標高1600m~2400mの間 によく育つ。