【55】つげ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

つげ

つげ


常緑小高木。高さ1m~3m、時には5mにも達す。
東北地方の 南部、関東地方以西、伊豆諸島、四国、九州の暖地に生育する。
特に石灰岩地や蛇紋岩地の山に多く見られる。
庭木や盆栽としても栽培される。また生け花の材料にもなる。
幹は灰白色で葉は対生で厚くて光沢があり、小さな長楕円形をしている。
「ツゲ」というのは葉が層をなして密につき、つぎつぎとついているからという。
私は子供の頃葉を二つに割ってまたひっつけると継 げるのでツゲというのだと聞かされ、一生懸命葉を割っては継ぎ、割っては継ぎしたことを思い出す。
材は黄色緻密、硬質なので印判、櫛、彫刻材、将棋  の駒、算盤の珠や数珠の玉など細工物に用いられ重宝がられるが、成長が遅いので高価である。 中国の細工物にツケ゛の木が多い。
一般にツゲのことを「ホンツゲ」という。これはモ チノキ科の「イヌツゲ」を単に「ツゲ」と呼ぶ人があるため、やむなく「ホンツゲ」といわねばならなくなった。

花言葉は「克己(おのれにかつこと)、冷静」