【54】つが

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

つが

つが


常緑高木。関東地方以西、本州、四国、九州に生育する。 高さ 30m、直径1mにもなる。樹皮は灰色。
材は辺材と心材の区別不明瞭で肌目が粗い。比重は約0.5で針葉樹の中ではやや重硬で強い。
収縮、膨張は割合大きいが鼠害が少ない。
建築用材としては喜こばれ、柱、土台、床柱、床ま わり、長押、鴨居、敷居、天井板等を含めたツガ普請として重宝がられる。
しかし硬い木材なので関東ではあまり好まれないが関西では高級住宅用に賞用される。
樹皮からはタンニンが採れ漁網の染料に使われる。
杉、桧は植林され赤松、黒松は好陽性で伐採されて もまた自然に生えて来るが、この栂は違っていて天然林が伐採されて人工林化されるにつれ急激に少なくなり、今や栂の大木は貴重なものとなり銘木的な存在になりつつある。
米栂(ヘムロック)はアラスカからカリフォルニア の太平洋岸に分布し、高さ70m、直径2mの巨木になり材は栂に似るも光沢薄くやや白色で内地材の栂より腐り易く軟かい。