【53】だいだい

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

だいだい

だいだい


常緑小高木。日本南部暖温帯に生育する。
昔中国南部地方から伝来、枝葉は密に茂り枝にはとげがある。
葉は厚く互生、夏の初め頃、こずえの葉腋に1ないし数個の花を開き白色でかおりがある。
果実は球状あるいはわずかに 平たく、冬に熟して黄色になり、木に残っている時は大きくなり次の年の夏再び濁ったような緑色を帯びる。
冬の熟した色を橙色としてこの色の代表といわれるくらい一般大衆と密着していたのだろう。
集団的な経済栽培はあまり行われていないが宅地内には植えられていて酢を作り、お正月の飾餅の上にのせられる。
同じ木に三代の果実が残ってなっているので代々とも書かれ家庭内に祖父母、両親、子供達と三世帯が住む事を良しとしたのである。
以前は結婚条件にカー付き、家付き、ババー抜きが理想のお婿さん等といわれていたが、最近は大分変わってきた。
お正月に使う橙の意味を教えたい。
この木は樹勢が強く、低温にも暑熱にも耐え、樹令も長い。