【50】たちばな

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

たちばな

たちばな


常緑小高木。
本州、四国、九州、済集島、台湾山岳地帯に分布す る。 樹高は3~4m、成長緩慢で成木に達するのは遅い。日本に野生する唯一のミカン類の原産種である。
高知県室戸市にある野生林は天然記念物に指定されている。
私の母校和歌山県日高郡御坊市日高中学校(現在日高高校)の校歌第三節に『如何に行手は遠くとも、至誠の旗をひるがえし、堅忍の矛手にとりて文化の 道をたどりなば花橘の香しき誉れをいかで挙げざらん』とあり、卒業して早や50年経ちながら折りにふれて思い出して歌うので橘はなつかしい。
京都御所紫宸殿の前庭にある右近の橘、左近の桜は 有名、三月の雛人形の向って左側には必ずこの橘が飾られる。
鎌倉時代の大工さんは大工事を完成させると橘の姓や橘の紋をもらったという。