【46】すもも

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

すもも

すもも


中国原産の落葉小高木。高さ3m~10mになり、初夏白色細小五弁の花をた くさん咲かす。
山梨県の3月下旬の李の畑の花は一面白色となりすばらしい。
日本には古くから渡来しており、古事記、日本書記、万葉集にも李の名が見える。
果実は球形で赤紫色または黄色に熟し、酸味に富んでいるが完全に熟すると甘く、生で食べられる。
我が家の庭にも一本植えているので、7月に入ると 朝の冷気ですっかり冷たくなっているのを手で拭きながらかじるのも美味しく、20日間位は毎朝二、三個は食べられる。品種も多く中国揚子江流域から日本にも野生があっ たとされる。
スモモは中国名で李と、また英名で“プラム”とよぶ西洋李の二種に大別される。疑いを受け易い事柄を李下に冠をたださずという時 の李下もスモモの木の事である。中国に李という姓の多いのも中国に多く生育しているからであろう。
日本名のスモモは酸味が強いので酸桃の意味からきている。