【45】すぎ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

すぎ

すぎ


常緑高木。高さ3m~50m、直径2m、屋久杉は4mのものも ある。日本の特産。 北海道を除く全国各地に野生あり、また栽培され品種も多い。人工林面積の40%をしめ る。 現在伐採素材樹種の25%が杉で筆頭である。
す(直)き木から「スギ」と呼ばれた。一般的に春材、秋材の区別も辺材と心材との区別も明瞭である。
辺材は淡黄色、心材は淡紅色から黒褐色まである。木理は通直、肌目はやや粗く、加工が容易なことから、家具、樽材に使われ昔から日本酒に香りをつけるため酒樽として欠かす事が出来ずそのために 植林が始ったといわれる。 その他の用途として、船材、土木用材、電柱、下駄、彫刻、経木、楽器に使われ、建築材では柱、母屋、大曳等角類、敷居、鴨居、タル木、根太の小割物、下見板、床板、野地板等あらゆる用途に使う。
秋田杉、屋久杉、奈良の春日杉は天井板に、また樹皮は屋根茸用に、葉は粉にして線香の原料にされる。
日本に国木の指定はないがぜひ杉を国木に決定したい。
秋田県、富山県、三重県、奈良県、高知県の県木。