【42】しきみ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

しきみ

しきみ


常緑小高木高さは2m~10m、杖や葉を切ると一種の香気がある。
本州、四国、九州、沖縄、台湾、中国に分布する。
この木の皮や葉を乾燥し粉末にしたものを仏前の焼香や線香等に用いる。抹香臭いという言葉はこのシキミの香りの事でぁる.仏前や墓に木を供え、寺院の境内等にも植えられ、「コゥノキ、(香ノ木)」、「ハナノキ」 と呼ばれるが、これは花が美しいのではなく墓前や仏前に供花するからで、上代から日本人の 間で親しまれてきた木である。
果実には毒成分があり、和名の「シキミ」は悪しき 実の意味で“ア”が略され「シキミ」になったといわれている。
材は念珠、洋傘の柄、寄木、木象験に使用される。
3月から4月にかけ、直径3cm前後の淡黄色の花を葉のつけ根につける。果実は袋果で扁平で2~2・5cmになる。
外部柔かく秋に熱してそれぞれ内側から裂開し黄褐色で光沢のある種子を勢いよくはじき出す。