【37】ざくろ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

ざくろ

ざくろ


落葉小高木。高さ6m~10m。イランが原産。中国、朝鮮を経て日本へ入ってきたのは平安時代であろう。
紀元前のソロモン王の神殿にザクロ唐草模様がある。砂漠地帯ではのどの渇きをいやす絶好の果物である。
中国では西方渡来の植物を観賞用の園芸植物に改良し、多くの詩や絵画に描かれている。
日本では果実を菓子とした。
根皮と樹皮は条虫駆除剤に、果皮は下痢、扁桃腺等の薬にまた黄色染料、鞣皮用に使われる。
花は赤白、八重咲き等あり、庭園樹や盆栽用にされる。
紀州御坊の私の生家に大きなザクロが育って送って貰った実は子供はめんどうがって食べないが、私は、1粒々々味って食べている。
実の赤と表皮の黄と赤の色。またエキゾチックな形はとても美しい。
郷里の先輩から急に絵に描きたいので庭から出ているザクロを貰うが良いかと電話がある。故郷とのうれしい交流の一コマである。
抱き花柘榴