【34】こぶし

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

こぶし

こぶし


落葉高木。高さ15m、直径30cmくらいになる。北海道、本州、四国、九州、済州島に分布する。
材は灰白色から帯黄灰色でホオノキに似ているが、ホオノキに比べ少し硬く刃切れは少し悪い。小物の器具材、玩具、漆器素地、薪炭材に使用する。 また鉛筆材、割箸材にも使われる。
皮付丸太の小丸太はその雅致をいかして茶室の床柱、軒の?木等に使はれ、木炭も又ホオノキのものに似て金銀銅等の研磨用に使われる。
樹は早春新葉の出る前にたくさん咲く花が美しい。
千昌夫が中国で大変うけた歌謡曲、北国の春に『白樺 青空 南風 こぶし咲くあの丘 北国の ああ北国の春 季節が 都会では 判らないだろうと 届いたおふくろの 小さな包み あの故郷へ 帰ろかな帰ろかな……』とある。
辛夷は誤用で、この字はモクレンのことである。