【31】けやき

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

けやき

けやき


(槻)、(欅)、落葉高木。高さ40m、直径2mにもなる。
暖温帯樹で、本州、四国、九州、朝鮮、中国南部に生育する。
宮城県、福島県、埼玉県の各県の木でもある。新葉と共に淡黄緑色の花を開く。樹皮は淡褐色、老樹は片状に剥離する。
木理美しく、狂いがなく、水湿にもよく耐えて、保存性の高い優 良材である。建築、船舶、車両、機械、楽器、彫刻など 用途は広く、玉杢は珍重される。とくに神社、仏閣、船 の竜骨、臼、漆器椀の木地、民芸品等に賞用される。風 致木として植えられ、盆栽としても良い。昔はケヤキは ツキと呼ばれており、大阪府の高槻市は、万葉集の“疾 く来ても見てましものを山城の 高の槻群散りにけるか も”(高市黒人)からつけられ、ケヤキが多かったとい われる。

この木を使った有名な場所は京都東本願寺、清水寺の舞台など数えきれない。