【29】くり

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

くり

くり


日本特産、落葉高木。高さ20m、直径80cm、時には高さ30m、直径1.5mになるものもある。
6月頃花穂を出し、淡黄色の細花をつける。強い性臭がある。
材は耐水性が強いため、家屋の土台、鉄道枕木、湯殿板、船の舵などに最適である。また、椀、盆、なぐりにして濡れ縁用等に使用する。
クリの 実を干して、臼で搗ち殻と渋皮をとり去ったものが搗栗で勝栗とも書き、戦いの出陣のときに食したり、また非常食、保存食としたのである。
しかし、秋の果物屋の店頭には栗が並びお正月のお節料理には栗金団や、また栗飯、栗羊羹、丹波栗の甘露煮など日本人の食生活には欠かせない。
馬の栗毛はたてがみ、尻尾共茶褐色の栗色のもので、栗毛の馬は性質温和である。 私は昭和26、7年ごろ栗毛の牝馬初菊号で全日本に出場して優勝したこともあった。子供たちが馬のお腹の下をくぐっても後ろから飛び乗っても何もしないやさしい馬だった。
 花言葉は「公平にせよ」。虫媒花。