【27】くちなし

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

くちなし

くちなし


常緑低木。本州西南部、台湾、中国南部に広く分布し、夏に白六弁の芳香ある花を開く。
実は草木染中黄色の染料で、食品にも使用される。また花は食用にもなる。
梔の字は、中国の酒を入れておく器に似たくちなしの果実を巵といい、これに木偏をつけたもので、くちなしとは果実が熟しても口を開かないから「口無し」という。
碁盤の足はくちなし型をとり、助言をいましめ、裏の真中に血だめが彫ってあり、足の内1本は簡単にはずれてそれで助言者を叩いても良いと聞いた。
特に熊本県に自生するのは八重梔。また、アメリカ園芸品種の大八重梔の花は大輪で甘い酔いしびれるような良い香りがある。
花言葉は「清潔」。三つ割り梔子