【26】くすのき

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

くすのき

くすのき


常緑高木。関東地方南部より九州まで分布。台湾、揚子江以南の中国に生育する。
日本書記に素盞鳴尊が髪の毛を抜いて植 えたのが樟で舟の材料にせよといわれたと記されている。
若葉は黄紅色で美しい。5月頃に黄白色の小花をつける。
幹の高さ20m以上、直径2m以上にもなるが鹿児島県蒲生町のものは樹令800年以上、高さ30m、地上1.5mの幹回りは約23mにも達している。
材及び葉より樟脳を成分とする精油があり、天然樟脳の原料樹である。
精製樟脳は防虫剤だが医薬用には強心興奮剤で軟膏として神経痛や打撲症、皮膚病等に塗布される。
材は彫刻用、装飾用、細工物として愛用される。台湾産の欄間や、木彫人形はほとんどこの木が使われ、船材にも使われる。
兵庫県、佐賀県、熊本県の県の木として選定されている。