【25】くこ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

くこ

くこ


落葉低木。本州、四国、九州、沖縄、台湾、朝鮮半島、中国に分布する。原野や川の土手、海岸近くに普通に見られる。
夏に釣り鐘状をしたうす紫色の小さな花を葉腋につける。
果実は楕円形の液果で秋に熟すると鮮紅色となり美しい。種子をまくか、株分けするか、挿し木で増やせる。
日当りがよく、水はけのよい場所に植えれば秋の赤い実を観賞出来る。
生垣によく使われる。
「枸杞酒」を飲めば  元気が出るというので一時ブームになり注目された。果実を乾燥したのが枸杞子で、果実を酒や焼酎につけたものがクコ酒である。
からだの弱い人の強壮薬とされ、根の皮を乾燥したものを直骨皮といい、結核や糖尿病の 治療、消炎、解熱に漢方では使用される。
私の生まれた 紀州御坊の海岸や、日高川の河原にはたくさん自然に生えていて、秋に赤い実をよくつまんで食べたが、ブーム  の時に全然見当らなくなってしまった。
この流行も一時  的なもので、またそろそろ、そこらで見る事が出来るようになるだろう。