【10】いちょう

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

いちょう

いちょう


落葉高木。雌雄異株。高さ30m、直径2m、大きいのは目通り幹の廻り14mのものもある。
東京都・大阪府の木である。
元禄時代日本からヨーロッパへ始めて紹介されたが、日本へは中国から観音像の渡来と共に僧侶によって運ばれたといわれている。
中国名を「ヤーチャオ」と聞き「イーチャオ」になまり、「イチョウ」と転訛して和名になったという。
大阪御堂筋のイチョウの実は長い間入札してギンナンの採取者を決めていたが、今は取って貰う人を入札して決めるようになった。次第に粒が小さくなり、採取人の費用が高くなった故である。
イチョウの植物形態論の中で非常に古代の植物とされている。
材はやわらかいが質が、緻密で細工し易く将棋駒、将棋盤をはじめ、彫刻材として利用される。
中華料理では欠かせぬ木でマナ板は総てイチョウで、しかも丸太切りした木口を使う。