【8】いすのき

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

いすのき

いすのき


常緑高木。-皇族方の箸に使われるのでこの字がある。
高さ25m、幹の直径1mの大木になる木もある。イスの葉には巨大な虫こぶができ大きなのは7cmにもなり虫が飛び去ると空殻となり、これを吹くとヒョウ、ヒョウと鳴るので瓢木の別名がある。
本州伊豆地方以南、中国にも分布しているが、熊本営林局管内鹿児島県大隅半島に多い。
材は緻密で堅硬、建築材の床伴、楽器、櫛に使用されている。
近時、箸や箸置に作られているがなかなか良い。
また私はスヌケと呼ぶ心材で作った剣道の素振り用木剣を愛用しているが、使えば使うほどよい色味が出て来て楽しい。
埋れ木を「スヌケ」と呼ぶ。また心材は黒いので紫檀や黒檀の模擬材にされる。風蝕材は床柱にされ、薪炭材としては火持がよく木灰は陶磁器の溶媒にする。また、虫こぶはタンニンを含んでいるので染料に用いられる。庭園樹としても生垣用にも適している。
「ウッドリーム大阪」の木製クラフト展示室の床板に使っている。色も良い。