【7】いいぎり

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

いいぎり

いいぎり


落葉高木。雌雄異株。本州中南部、中国、九州、台湾、朝鮮半島、中国中部に成育する。
高さ20m、直径1mにもなる。樹皮は灰白色 でよく目立つ。太い枝を数本、やや水平に輪生状に出す。小枝は太いが折れ易い。
五月頃に若葉の先に穂状の花序をつけて吊れ下り、花弁を欠く。芳香を出す花を開く。
秋になり葉がすっかり落ちたあと永く樹上にとどまり、赤く美しい1cmくらいの実がたくさん垂れ、異国情緒をかもしだす。庭木としても植えられる。
遠くからみれば 南天に似た赤い実をたくさんつけるので「ナンテンギリ」 という所もある。
実は南天よりも大きい。
材は軽く下駄や小細工用、箱等に使われる。
“イイギリ”とは、昔この大きな葉で食物を包んだので飯桐という名が出たとか、椅桐で椅の音読を長くしたものともいわれている。