【3】あこう

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

あこう

あこう


落葉高木。高さ20m、直径約1mになる。日本の西南暖地、沖縄、台湾、 中国南部、東南アジアに分布する。 向陽地を好み排水の良い所を選ぶ。幹枝より気根を多数発生する。
材は挽物細工に使用される。また観葉植物として室内で観賞もされる。
越冬温度は0℃~3℃で葉は1年に2回短期間落葉する。
私の故郷和歌山県御坊市の近くにアメリカ村と呼ばれる全村アメリカ国籍を持つ人々が住む美浜町三尾という所があって海岸近くに大きな「アコウ」の木があり、バス停留所の良い日陰になっていて、バスが着いて降りると他国へ来た感じが一入深い。また小さい果実を「ようのみ」と呼び、子供の頃はめずらしがって食べた。
先年バリ島に行った時にこの木の樹上に鐘をつく家をのせていて、その樹下に日本陸軍が立てたのであろうか、星のマークの入った石塔が置かれていたのを見た。