【2】あかめがしわ

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

あかめがしわ

あかめがしわ


落葉高木。 雌雄異株。 中国東北部から日本列島、台湾、朝鮮に分布する。日当りの良い荒地によく生える。 若葉が鮮紅色になることと昔から食物を盛るのにこの葉を使用したので、かしわに似た若芽の赤い木というので、“あかめがしわ”の名がある。御菜葉(ゴサイバ)の別名がある。 実は染料に使用し、葉は腫物の薬になる。建築材としては床柱に使用する。 園芸植物として使用のオオバベニガシワは、この仲間、早春他の木の若葉が出る前に紅色のきれいな葉が出る。 早春のさみしい時期に色どりを添えてくれるので塀越しに見える所に植えている家庭が多い。 わが家にも十本ばかり植えているが、5月頃になると色あせて薄緑色の大型なべっとりした葉になってくるので風情も悪く、切ってしまいたくなるが、翌春には、また新しくきれいな葉をたくさんつけてくれる。子猫は可愛いいが、親猫はいやらしいことに似ている。