【1】あおぎり

4代目理事長の中川藤一が上梓したもので、日本の百樹木についてのエツセイです。木偏(もくへん)のものを集めています。1986年12月12日に日本経済新聞の1面、春秋にとり上げられ大きな反響を得て、経営者自身の執筆出版の先駆けとなりました。写真はウッドリーム2階に展示してあります木偏百樹。

あおぎり

あおぎり


落葉高木。中国原産・成長早く高さ20m、幹の直径60cmにもなる。緑色の樹皮はなめらかで、縄、布、馬具、筵に利用され、材は軽く柔かい。
建具、家具、パルプ材に利用され、庭園樹にも用いられる。
枝は階段状に出て小枝は太く、ポッキリ折れることもないので子供の木登りに最適である。
私の子供の成長盛りに二本植えておいたが、いつも木の肌が青々光るほど毎日三人の男の子が登り下りしていた。
葉身は偏円形で15cm~30cm、掌状に3~5裂、6~7月に淡黄褐色の星状毛を密生した円錐花序を頂生する。
果実は袋果状になり5個の各心皮は成熟前に裂開して舟状になり、その緑に実がついている。
この実を戦時中はコーヒー豆の代用として用いたが、昔から食用に供せられている。
梧下(梧桐造りの机のそばの意)、梧石、梧前など手紙の宛名の脇付に書く言葉がある。