「歌舞伎」を観劇されたことはありますか?
それは日本古来から現代も続くエンタメの総本山のような存在だと筆者は思
うわけで・・・。
歌舞伎の語源は「傾(かぶ)く」。
流行の最先端をいく奇抜なファッションで、世間の常識はお構いなしの「か
ぶき者」をまねた扮装で魅せたのがルーツといわれている。
予てより、なぜ成人男性だけが演じる世界なのか?不思議に思っていた。
今更ではあるが、歴史を調べてみると創世記の歌舞伎は「女歌舞伎」だったそうだ。
ただ、当時は、長い戦乱の世が収まりかけてきたとはいえまだまだ混乱が続く
時代で、人気が出る反面「芸」だけでは食べていけない分「色」も売り出す状況
で、結果、時の政府である江戸幕府に風紀風俗を乱すという理由で禁止されるこ
ととなる。
で、
その代替えとして、元服するまでの青年たちの「若衆歌舞伎」が大人気となった
のはいいが・・・
ご想像通り、女歌舞伎と同じ理由で幕府から禁止されることとなる。
結果、成人男性中心で演じる「野郎歌舞伎」に形を変え、その過程で「女方」も
生まれ今日の歌舞伎の基礎ができた。
その後も、風紀を乱すと、歌や踊りも禁止されるなど様々な制限を受けてきたが、
役者達は、それではと物語や演技を追求し「人々を楽しませる」という灯を消す
ことはなかった。
「歌舞伎」と聞くと高尚なイメージが先に立って、
てっきり「伝統芸能」として順風満帆に継承されてきたのだと思っていたが、
実際は、庶民の日常から生まれた文化であり、泥臭い反骨精神がルーツだった。
苦境を乗り越え 成長の糧にしてしまう。
これこそが、歌舞伎の伝統なのだろう。
そして、伝統というものは、こうして国の歴史と深くかかわり時代背景や生活様式
に影響をうけながらつなぐものなのだと改めて思う。
今、得体のしれないものも、いつの日か伝統になるのかもしれない。
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