協同組合の恒例行事の一つである京都研修会を小春日和の11月の日曜日に
開催した。
今回の見学先のメインは、世界遺産 元離宮 二条城。
中でも、二の丸御殿は全6棟の建物からなり江戸初期に完成した住宅様式であ
る書院造の代表例として、また、国内の城郭に残る唯一の御殿群として日本建
築史上重要な遺構であり、また、日本の歴史の中でも重要な側面を担った場所
でもある。
入口すぐにある遠侍と呼ばれる部屋は「虎の間」と呼ばれ、大きな虎が描かれた
襖絵には徳川家の覇権を来客に強く示しているといわれている。
そして大広間
ここは将軍が大名と対面する公式の場で、将軍との対面を厳かなものとするため
襖絵には不老不死の象徴である「松」や吉祥を表す孔雀、他にも猛禽類のタカや
ワシが松よりも大きく描かれ、将軍の威厳を強く示している。
また、会いたくない来客や、そもそも話は聞くつもりがない客を通す部屋には
木と鳥の組み合わせが合っていない襖絵が設えてあり、「鳥合わない→あなたに
は取り合わない」のメッセージを、理解できれば良しで、理解できなければいつ
までも客を部屋で待たせていたのだとか。
そこまで権力を示したい?って思う反面、隅から隅まで圧倒的な権威を見せつ
ける事で国の安定を保つという時代だったのだと
改めて、その襖絵に、その時代を生き抜いた人たちの息遣いや緊張感、喪失感、
高揚感を感じることができた。
最後の将軍 徳川慶喜は、どんな思いで「大政奉還」を決断したのだろう。
様々な説はあるけれど、彼の決断のおかげで江戸城は無血開城され、スムースに
近代化が進み、今に繋がっているのではないだろうか。
重要文化財に指定されている立派な「唐門」から堂々と入城していた上様は大政
奉還を宣言した後は、ひっそりと「西門」から出入りをしていたのだそうだ。
その話がリアルすぎて
大好きな女優さんがよく使っていた「時が来たら誇りをもって脇にどけ」という
言葉を思い出した。
ふと、そこに彼がいるような、そんな感覚を覚える貴重な時間を過ごすことがで
きた。
・・・・・感謝。
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