若い方々には、懐メロとしてご存知な方もいるかもしれないが、少々、古い
逸話を一つ。

唐突ではあるが、昭和を代表する歌姫の一人である山口百恵さんの作品で心
に残っている楽曲といえば何が浮かびますか?

多くのヒット曲を残されているので、一曲を選ぶのは難しいけれど、中でも
彼女の存在を知らなくても、老若男女とわず、曲名を聞くだけで、イントロ
からサビまでが頭に流れてくるだろう曲がある。

その曲名は「いい日旅立ち」

1978年に発表されたこの曲は、国鉄(現在のJR)のキャンペーンソングだった。

国鉄から、キャンペーンソングをぜひ作って欲しいと1977年に彼女が所属して
いたソニーレコードに広告代理店を通じて依頼があったそうだ。

だが、当時の国鉄は、累積赤字も膨らみ厳しい運営状況下で、曲の制作を発注
し大量の広告をメディアに流す予算はなく、苦肉の策として、キャンペーンソ
ングの協賛を関係先である「日立製作所」と「日本旅行」に依頼したそうだ。

楽曲制作にあたり、彼女を担当していたプロデューサーは、その2社の協賛に
感謝し
 
日本旅行→日旅
日立製作所→日立

の言葉を入れたタイトル「いい日旅立ち」を先行して決めた後、谷村新司さん
に作詞作曲を依頼したそうだ。

予算のない中で、キャンペーンソングをつくって広告しようと提案した国鉄
その国鉄の想いを受けて協賛を引き受けた企業
協賛を引き受けた企業への想いをタイトルに込めた担当プロデューサー
タイトルが先行した中で、見事な楽曲を制作した音楽家
何よりその曲の世界感を丁寧に表現した歌手

奇跡のようなストーリーの中、名曲が生まれた。

この曲に携わった全ての方々の想いに感動する。
 
あぁ~日本の何処かに私を待ってる人がいる・・・♪ 旅に出たくなりますね。

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