拉致被害者家族会の顔ともいえる横田滋さんが亡くなられたとのニュースに心が締め付け
られる思いがした。

中学生になったばかりの我が子が突然姿を消す・・・。
それが北朝鮮による拉致であったことを公表する・・・。

ご家族のご苦労ご心労は、想像を絶するものがあるが、その勇気ある行動により、我が国
を動かしたことは間違いない。

ある時。 

今まで言わなかったけど・・・と、新潟県出身の知り合いが話してくれた。

自分は、横田めぐみさんと同級生で、しかもとても仲良くしていたと。
あの日も、校門で「また明日ね バイバイ」といつものように別れ、彼女は海側の自宅に
向かい、自分は町側の自宅に向かったという。


翌日、めぐみさんがいなくなったことを知る。
学校に警察が入り、地域の方々の懸命な捜索もあったが、めぐみさんが見つかることは
なかった。

時が過ぎ、自分も大人になり、当時のことも記憶の中にしまいこんでしまっていた頃、
テレビに映し出された横田さんご夫妻をみて

あっ、めぐみちゃんのお父さんとお母さんだと気づき

あの日、校門で別れた友達は、家路のどこかで北朝鮮の工作員に拉致されたのだと知り
愕然とした。

もしかしたら、あの日、自分だったかもしれないと。
今、こうして幸せに暮らしていることに、不安さえ感じると。

言葉が見つからなかった。

何処かで対岸の火事のように捉えていた自分が情けなく、そして、これは誰にでもおこ
りうることなのだと気づかされた。

現在、政府が認定している拉致被害者は17名。

うち、5名が帰国を果たしたが、他にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できないとし
ている人数は800人を超えるといわれている。

その人数の多さと、ご家族のご心痛を思うと憤りしかない。  

ともかく、横田さんのご冥福を心からお祈りするとともに、残されたご家族が一日も早
く肉親と再会できる日が来るよう、政府には、この道理ない犯罪を堂々とやってのける
国に、全精力をあげて毅然と対応してほしいと、ただただ願う。

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