花冷えの日が続き、いつもより桜をゆっくりと愛でる時間が長いと感じた方も多いのではないだろうか。
例年、桜の木の下で繰り広げられる宴席がないのも、その一因だったかもしれないが・・・。
日本では桜は身近な存在で、春の風物詩として当たり前のように毎年春の訪れを感じさせてくれて、世
間の様子は一変しても、今年も桜は変わらずその姿を見せてくれた。
昨年5月から我が家に滞在していたイギリス人にとっては、それは奇跡!だと、町中が桃色になるので
すね!と上達した日本語でお花見をしようと楽しみにしていた矢先。
新型コロナウイルス感染症は世界中に感染が拡大し、空港がクローズする前にと彼は急遽、帰国するこ
とになった。
分かっていたことだけれど、その別れはあまりにも唐突で何の心の準備もできないままあっけなくて、
外国からの帰国を受け入れられるのかと不安げな彼の表情が心に残った。
彼と暮らした332日。
彼だけがどんどん日本語が上達し、最終的にはグーグルに頼ることなく日本語で会話し、英語が上達す
るかもといったあまーい期待は泡と消えたが・・・。
それでも、異文化コミュニケーションの日々は、たくさんの気づきを与えてくれた。
最初に日本語ではなんと言うのか質問されて答えた言葉がある。
その言葉は、家族の大切な毎日の合言葉となった。
Have a nice day ⇒ 良い一日を!
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この状況はいつまで続くのか。先はまだ見えない。
国も企業も国民にも我慢の闘いの日々は続くけれど、少しでも今日が良い一日と感じれるよう心がけて
いたい。
そして、いつの日か彼と笑いあえる日が来ることを切望する。
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