皆さん、かつて堺市中区福田は唐辛子鷹の爪の一大産地だったことはご存知でしょうか。時代と共にその景色は無くなりましたが、唯一まだ西高野街道沿いの歴史あるその地に明治35年(1902年)創業の老舗和風香辛料専門店の『やまつ辻田』がございます。
和風香辛料といえば、七味唐辛子や山椒、柚子胡椒などが周知されておりますが、やまつ辻田さんで取り扱われております香辛料は、4代目当主であられる辻田浩之社長が絶滅に瀕していると言っても過言ではない希少価値の高い国産「鷹の爪」に拘り、山椒や柚子など他の材料も厳選された高品質なものを使用され、115年を超える伝統の味を守り受け継がれておられます。
私が、やまつ辻田さんの商品に初めて出会ったのは、某百貨店での夏の催事場。もともと七味唐辛子が大好きな私は、キリッと冴えた香りに思わず足を止めてしまいました。催事場では、辻田社長自ら季節に合わせた調合を実演されます。使用する材料にもそれぞれ旬が違うので季節によって、そしてその配合によって違う風味になるようです。一般的に香辛料は脇役となりがちですが、やまつ辻田さんの和風香辛料は少し加えるだけでお料理の味がグッとひき立ち、格段に美味しくなる優れものです。辻田社長は大阪のみならず遠方の催事にも出向かれ、これ以上ない粉を作るという熱い思いを込めてお客様へ丁寧にご説明されます。ほんものを伝えるには、やはり手間も時間もかかるけれど自ら伝道師となり今まで積み重ねて来られたようです。今では各方面の老舗料理店でも使用され、またテレビや雑誌取材も多数受けておられます。昨年9月には関西テレビよ~いドン!『となりの人間国宝』にも認定されました。
今回取材させていただき、更なる美味しい食べ方を紹介いただきましたので一部ではありますが写真と共にお届けいたします!是非、お試しください
(株)林田順平商店 利守 由佳理